皆さまこんにちは、アイランドコネクト沖縄で人材育成を担当している安田です。
パソコンとインターネットによる新たな働き方を創造することで沖縄の離島における地域活性化を推進しようと始まった「アイランドコネクト沖縄」は、おかげさまで6年目が過ぎようとしています。本記事ではこれまでの歩みを振り返りつつ、今後の展望についてもお伝えしたいと思います。
離島の課題とテレワークによる雇用創出へのチャレンジ(令和元年度~)
沖縄の離島は、本土や沖縄本島に比べ雇用機会が限られており、また観光業や農業といった基幹産業は繁忙期と閑散期の収入格差、台風などの自然災害による影響といった慢性的な課題を抱えています。こうした状況を背景に、安定した収入確保を目指し、また、場所や時間にとらわれない働き方=テレワークに着目したのが、アイランドコネクト沖縄の始まりです。
そして令和元年度に沖縄県の「離島テレワーク人材育成補助事業」の事業者に選定され、石垣市、久米島町、渡嘉敷村でのテレワーカー育成と業務斡旋が始まりました。沖縄県内だけでなく首都圏企業からの業務受注もスタートするなど、離島に眠る優れた人材を活かし、島外から仕事を取り込むことで地域経済の活性化を図るという本取り組みの大きな一歩となりました。
業務の内容も、データ入力やWebライティングといった業務に加え、AIで活用されるデータを整えるアノテーション業務も開始。また、ソフトウェアロボットによる業務効率化を目指すRPAエンジニアの育成にも着手しました。これは、テレワーカー自身のスキルアップを促進するとともに、企業側の多様なニーズに対応するための展開でした。
久米島でアノテーション研修開催
テレワーカーの拡大と事業スタイルの確立(令和2年度~)
事業は順調に拡大し、令和二年度には沖縄県内の全離島を対象として事業を展開。お客様企業にとってアイランドコネクト沖縄は、ノンコア業務を在宅テレワーカーに部分発注(BPO)することで、経費の大幅な削減や業務効率化が可能になるというメリットを生み出します。また、アイランドコネクト沖縄が各在宅テレワーカーの窓口となり、品質管理やセキュリティを保証することで、お客様企業は安心してテレワーカーに業務を委託できる体制が確立しました。
沖縄県庁で記者会見
コロナ禍におけるテレワークの推進(令和3年度~)
新型コロナウイルス感染症の本格的な拡大は、社会全体の働き方に対する意識を大きく変え、世界的規模でテレワークの普及を加速させました。もともと場所と時間にとらわれない働き方が前提であったアイランドコネクト沖縄の業務スタイルは、この大きな変化の影響を受けることもなく、逆に社会のニーズに合致したものとなり、沖縄県内各自治体からの参加要望も一気に高まりました。
元旦の全国各紙に掲載されたアイランドコネクト沖縄の記事
DX人材育成への新たな挑戦(令和4年度~)
企業における「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の推進が全国的な課題となる中、アイランドコネクト沖縄は、地域におけるDXを担う人材の育成にも力を入れ始めました。
沖縄県「離島ICT利活用人材等高度化補助事業」の補助事業者にも選定され、地域DX人材の育成プログラムが提供されるようになりました。これは、単にITスキルを習得するだけでなく、物事の本質を見極められる人材を育成し、彼らが離島の持続的な発展に貢献することを目指したものでした。
アイランドコネクト沖縄がテレビでも取り上げられました
宮古島テレワークセンターの開設と展開(令和5年度~令和6年度)
宮古島ICT交流センターのサテライトオフィス内に私たちの新たな業務拠点「宮古島テレワークセンター」(小規模型BPOセンター)を開設しました。
この宮古島テレワークセンターは「離島ICT利活用人材等高度化補助事業」における新たな取り組みとして位置づけられています。セキュリティ面での課題を解消し、これまで離島地域での受注が難しかった機密性の高い首都圏企業の業務を離島で請けられる環境の整備を目的として設置され、現在順調に稼働しています。また、近い将来この取り組みを県内の他離島へも展開することで、離島地区の新たな収益モデル確立を目指しています。
宮古島テレワークセンターが入居する宮古島ICT交流センター
まとめ
現在アイランドコネクト沖縄の取り組みは離島に留まらず、沖縄本島での展開も行われています。また、登録テレワーカー数は2,500名に迫る勢いとなっており、沖縄における在宅ワーク人材活用プラットフォームとして、引き続き大きなポテンシャルを秘めていると言って差し支えないかと思います。
今後もアイランドコネクト沖縄は、受注業務のさらなる多角化、企業との連携強化、宮古島テレワークセンターのような離島拠点を軸とした事業モデルなどを通じて、沖縄全体の働き方改革と地域創生に貢献して参ります。ぜひ皆さま方の応援も賜りたく、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。