こんにちは、地方創生担当の安田です。

弊社が運用している在宅ワーカーのプラットフォーム「アイランドコネクト沖縄」では、テレワーカーさんたちへの報酬支払い業務が毎月発生していますが、約2500名分の報酬集計プロセスをどれだけ効率化できるかは運用上とても重要なポイントとなっています。

今回その効率化にあたって「Google Apps Script」という仕組みを活用し業務改善を図りましたので、その内容をこちらでもご紹介したいと思います。

以下、今回実際にアプリの開発にあたったUさん(一昨年エンジニア候補生として入社)にレポート形式で解説してもらいました。

Google Apps Scriptとは?

Google Apps Script(GAS)は、Google スプレッドシートやドライブ、GmailなどGoogle Workspaceを横断的に自動化できるJavaScriptベースの開発環境です。

インストール不要・ブラウザ完結、さらに権限管理はGoogleアカウントに紐づくため、小さく始めて素早く業務フローに組み込めるのが最大の強みとなっています。

トリガーを用いた定期実行、Webhook連携、Drive上のファイル操作、メール通知など、「日常の手作業→自動化」に最適と言えます。

小規模な業務改善から段階的に拡張しやすいのが特長となっています。

今回Google Apps Scriptを利用した背景

今回、支払い集計処理の効率化という業務にあたったのですが、もともとの処理内容(要求事項)が複雑で、既存のシステムはその安定性を図るためにそれぞれの機能が独立したものとなっていました。

そんな中、GASを利用する決め手となったのは、今回の依頼での一番の要望内容が「Webアプリ化」だったことです。

GASはHTML Serviceというサービスを活用することでUI(操作画面)を作れます。

GASとUIを組み合わせて疑似的なWebアプリを構築することで、ユーザーはブラウザからボタン操作とガイドに沿って処理を進めることが可能になります。

また、通常のWebアプリは実行するためのサーバーが必要不可欠ですが、GASであればクラウド上ですでに実行環境が用意されているため、運用費用がかからないという大きなメリットもあります。

実装内容とその結果(効果)

今回実装した主な内容は

  1. 支払いに必要な情報を外部サービスから取得
  2. 取得した情報の集計・加工
  3. 集計した情報をネット銀行で振り込みに利用できる形式(CSV)で出力

もともと既存の処理はマクロ等で作られていたので、それを元にGASに一本化した形です。

これらをアプリ形式(html service)で実行できるように実装を行いました。

アプリを起動してボタンを押していくだけで処理が完了していくため、手順を覚える必要がなく、また、複数ファイルを行き来する必要もなくなりました。

実行内容をきちんと確認できるように、ログをリアルタイムで視認可能としたこともポイントです。

今回取り組んでみての感想

GASとHTML Serviceを用いたアプリ化は今回が初めてで、設計やUIの考え方に戸惑う場面が多く、学ぶことばかりでした。

一般的な導線については、客観的な指標やガイドラインが参考になりますが、最終的には実際に利用するユーザーの声を丁寧に確認し、反映することの大切さを改めて感じました。

今回は、具体的な改善イメージを直接ヒアリングできたため、それを基に形にしていく流れを取れたのですが、一方で、毎回イメージが明確とは限らないので、今後はワイヤーフレームや簡単なモックを用意し、「このような形はいかがでしょうか」とこちらからいくつかの案を提案できるよう心がけます。

そのためにも、対象となる業務の流れや例外ケース、権限・記録の要件などを丁寧に理解する姿勢を大切にし、小さく試して確かめるという進め方を継続したいと思います。今回得たノウハウも活かしながら、引き続き改善を重ねていきます。